2009年9月 9日 (水)

画期的

 このライヴが画期的すぎる!!

 YouTubeに勝手に上げられている、8月末に行われた初音ミクのライヴ「ミクFES'09(夏)」の模様です。いやはや、仮想現実上の存在であるミクさんがライヴをやるとは、絵に描いた餅がホントになったというか、まったく新しいスタイルのライヴ・エンタテインメントが生まれたというか。この映像ではよくわかりませんが、ミクさんの画像は3Dホログラムっぽいとか? 「スター・ウォーズ」でR2-D2から出てたアレみたいなものでしょうか。

 こうして観てみると、曲がやたらと良いです。そこに現在進行形のUS~UKロックやピアノ・エモなどの要素も含んでいますね。ミクさんの造形とアンドロイド声を受け付けないという向きもあるでしょうが、造形はともかく、あの声はそれこそPerfumeやT・ペイン、ドリーム、カニエ・ウェストの新作と同じように楽しめば良いと思います。

 映像の作り込みも半端じゃなく、リップシンクも細かく設定してますね。十二分に凄いですが、とはいえ、本当に新しいのはその技術だけじゃなくて、リアリティだと思います。それを生み出しているのは、お客さんの熱狂的なリアクション。ミクさんが現実化したとかそうでもないとかは本当はどうでもよくて、これだけの人がそれを心から楽しんでいれば、「それはそこにあるものだ」と、それ以上でもそれ以下でもないと思わされました。

 行きたかったな。ちょうどこのときはZAZEN BOYS×凛として時雨の対バンを観てました……。

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2009年7月29日 (水)

FUJI ROCK FESTIVAL '09

 フジロック行って参りました。会場でお会いした皆様、本当にありがとうございました。

 初日からザーザー振りで、正直「早く終わんないかな…」とか思ってましたが、今年はとにかく素晴らしいライヴがたくさん見られました。

◆初日
 ネヴィル・ブラザーズ……持ち時間は2時間でしたが、何時間でも聴いていたかった。大ファンになり、次の日にTシャツを買いに行きました。どのバンドも種類やサイズが欠けているなか、彼らのTシャツだけは全サイズ燦然と輝いていたのは良い思い出。デザインだって悪くないと思うんですが。

 メジャー・レイザー……いまをときめくディプロとスウィッチのレゲエ・ユニット……なんですが、昼間のホワイトという状況がちょっと微妙だったかも。しかし全身に包帯を巻いた半裸の女性レゲエ・ダンサーの下品でエグい踊りを最前列で堪能できたので特に不満はありません。特に強烈だったのは
 「流し目しながら」
      ↓
 「人差し指を咥えながら」
      ↓
 「客席に向かってM字開脚をパカパカ」
      ↓
 次にやるCharaを最前列で待っている女子たちがドン引き

 というフェスならではのマジックを体験できて本当に感謝しています。これに懲りたら場所取りなんてしちゃダメだよ!(今後同じような状況はありえないでしょうけど) 

 ブラカ・ソン・システマ……正直彼らを見たくて苗場まで行きました。本当に凄かった! 2MCと1DJ、ドラマー2人(一人は電子ドラムみたいなの)が基本編成で、時々女性MC兼ダンサーが入るのですが、いかがわしくて煽情的で下世話で攻撃的なビートの乱打! もっとたくさんの人に観て欲しかった。午前3時じゃなかったら……。
 っていうかメジャー・レイザーと入れ替えでも良かったですね(ブラカ~の直前にやったディプロのDJにスウィッチも参加してましたし。それメジャー・レイザーでしょ)。
 そうそう、ブラカ~のライヴにはディプロも飛び入り参加したんです! 

 ブラカ~が女性客を30人ぐらいステージに上げた時、ここぞとばかりにビデオ撮影しまくるディプロ! 

 盛り上がってステージの柱をよじ登り、トラスを伝ってオランウータンばりに左右へ移動するディプロ!

 なぜかステージに水鉄砲が用意され、ブラカ~のメンバーと共にステージを降り、水鉄砲をマジで撃ち合いするディプロ!

 客はもちろんのこと、出番を控える次のDJにも水鉄砲を撃って本当に嬉しそうなディプロ!

 かと思いきや、翌日の午前4時からのDJを「買い物に行きたいから」という理由でぶっちぎった(という噂の)ディプロ!

 流石の僕も、不覚ながら萌えましたね。彼には天衣無縫のアイドル性があります。M.I.A.もそれで彼と付き合っていたんだと思います(←多分違う)。

 ザ・たこさん……苗場食堂。ピンクのタイツに身を包んだタコオヤジがヴォーカルの、哀愁とユーモア満載のソウル・ショウ。異常に盛り上げ上手で、めちゃくちゃ盛り上がりました。マント・ショウもやったりしていて、誰かを思い出すなぁと思っていたら〈RCサクセションを聴きながら、あの子に電話した~〉という曲があったり、“君が僕を知っている”をカヴァーしたり、ガッタガッタ言ったり。グッときて楽しすぎて、ギャング・ギャング・ダンスを完全にスルーしてしまいました。

2日目
 パブリック・エナミー……半分くらいしか観てませんが、いきなり“Bring The Noise”“Don't Believe The Hype”からスタートしてアガりました。

 イージー・スター・オールスターズ
……『Sgt. Pepper's~』や『OK Computer』なんかをダブでやってるバンドですね。合唱できて楽しかった。それとDJによる「キモチイイ!?」というコールが絶品。

 

エスネ・ベルーサ……バスクの闘士、フェルミン・ムグルサのバンド・メンバーによるバンド。なのでバスク音楽ですね。木道亭で観たのでアコーディオンなどが主体でしたが、熱い演奏でお祭り騒ぎでした。

3日目
 ホーリー・ファック……サンプラー2名とベース、ドラムスという編成。ハウスを生演奏するようなエレクトロニック・ポスト・ロックという感じ? 演奏力やメリハリの利いた構成が素晴らしかったです。あと、近くにいた男の子たちがふざけてわざとキモい乗り方をしていましたが、それが奇抜で物凄く面白かったですね。言ってもらえれば再現します。 

 ディスコ・ビスケッツ……半分くらい、といっても90分は観ました。電子音を採り入れたジャム・バンドですが昇天もののカッコよさ。持ち時間は3時間でしたが、全部聴きたかった。

 ビッグ・ウィリーズ・バーレスク……お馴染みになりつつあるストリップ・バンド。とはいえパフォーマンスがちょこちょこヴァージョン・アップしていて(わかる私もなんだが)、何度見ても楽しいです。というか4列目くらいでキャロリーナのダンスを堪能できて良い思い出です。

 ウペンドラ・アンド・フレンズ……全然知らずに観た、多分ネパールの方々。アンビエントでチルでトランシーなサウンドが木道亭に映えてました。

 レーヴェン
(木道亭とクリスタル・パレスの2回)……今年のフジでもっとも熱狂的に受け入れられたであろうスウェーデンのジプシー・パンク・バンド。異常なテンションで一丸となって突進するパンキッシュなサウンドが強烈で、木道亭ではボードウォーク(木の通路)が壊れるかと思うほどの驚異的な盛り上がり。クリスタル・パレスでは最終日の午前3時という観客がもっとも疲弊した時間帯ながら、極めて激しいモッシュが起こってました。クリスティアーノ・ロナウド似のイケメンドラマーがやたらすぐ脱ぎたがる(しかもいい身体)ところや、パレスのライヴでは気づいたらメンバー7人中4人が脱いでいたのもアホっぽくて良かったです。
 こういうバンドを知ることができるからフジはおもしろい!


 来年も、知名度を問わず死ぬほどカッコいいライヴをやるバンドをたくさん呼んでほしいです。アホな客も増えて(チキンな私もさすがに直接注意した)、なんだかしょうもないなーと思ってましたが、こういう圧倒的な音楽的体験をさせてもらえるあいだは通います。

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2009年7月22日 (水)

FUJI ROCK FESTIVAL 09

 ……もう今週末ですか。チケットすらまだ買ってません。

 とりあえず今年見たい人は
◆初日
 ロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンド
 ネヴィル・ブラザーズ
 メジャー・レイザー
 レーヴェン
 ギャング・ギャング・ダンス
 ブラカ・ソム・システマ

◆2日目
 ショーン・クティ
 パブリック・エナミー
 バッド・ブレインズ(HR氏が微妙という説もありますが……)
 筋肉少女帯
 ファンキー・ミーターズ
 イージー・スター・オールスターズ
 ブッカー・T

◆3日目
 アニマル・コレクティヴ
 ホーリー・ファック
 ディスコ・ビスケッツ
 neco眠る

 後は適当にバンバン観ておもしろい人を探せばいいかと思ってます。

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2009年5月20日 (水)

ミシェル・翔子

 最近観たライヴがおもしろかったのでお伝えしたい所存。

◆ミシェル・ンデゲオチェロ at Billboard Live Tokyo

 去年に引き続き来日。彼女はもともとマドンナに見い出されたベーシスト/シンガーですが、常に音楽的な進化を止めない人です。前回の来日時はゴリゴリのブラック・ロックのようで、バンドの怪物的な出音にも大きな衝撃を受けました。あれから別に新譜も出てないし、どうなるやら?と思ってましたが、今回は変拍子とポリリズムを採り入れた楽曲が増えて、より先鋭化した印象。スピリチュアルでプログレッシヴなハイブリッド・アフロ・ファンクというか、何というか。とにかく、あの人にしかできない音楽なのでしょう。凄いものを観た!

◆中川翔子 at NHKホール
 1回観とくか!と思って軽い気持ちで先行予約に申し込んだら、まさか前から5列目とは……。周りのお客さんはコスプレもしくはピンクのはっぴを着用していて、普段着で行った私がむしろ場違い。いざライヴが始まって、歌が聴こえる!あれ、でもステージには誰もいないよ!?と思ったら中川さんが上空でホウキにまたがっているとか、なかなか意表を突くオープニングです。お姫様のような衣装だったり、セットが西洋のお城だったり、動くケーキに乗って登場したりと、小さな女の子が夢想するような「アイドルのコンサート」から1ミリのズレもなし。その徹底ぶりと、どことなく漂う「昭和感」に感服するのみ!
 お客さんがほぼ全員サイリウム所持、お客さんの半分くらいはコスプレ、そしてコスプレしたお客さんをたくさんステージに上げる、私の横のお客さんが凄まじい勢いでオタ芸(だと思う)をやる、アンコール待ちでは自然と合唱(“空色デイズ”)が湧き起こる、前方の席だけあって、皆さんからの「しょぉーこ!!しょぉーこ!!」コール(怒号?)を背中で浴びるなど、1週前に観たPerfumeとはあらゆる点で好対照でしたが、とにかく行って良かった。中川さんだけじゃなく、あの場にいるお客さん全員も含めた空間が楽しかったです。

 以上であります。

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2009年5月 2日 (土)

荒吐総括

 荒吐は良いフェスティヴァルでした。フジともRSRともまた違う、地元の祭みたいな雰囲気で楽しかった。しかし、信じられないくらい寒い! 東北ヤバイ! ヤバイ! ヤバイ! ヤバイ! ヤバイ!(http://www.bounce.com/article/article.php/5029/ALL?K=%A5%C6%A5%A3%A5%AC%A5%E9%A1%BCからパクリ。なおこのティガラーの作品はおもしろいです)

 良かったアクトは下記の通り。

◆BUCK-TICK
 “JUST ONE MORE KISS”くらいしか知らずに鑑賞。櫻井氏が怪人二十面相のような漆黒の出で立ちで、しょっちゅうバサバサ羽ばたいていたのがおもしろかった。冷たい雨が降るなか、お構いなしにステージの最前に飛び出して猛然と客を煽るバンドにも感服。天を仰ぎ、屋根から落ちる水流(結構な勢い)を顔面で受け止め続ける櫻井氏もカッコ良かった。
 楽曲的にはハード・ロック~歌謡曲~インダストリアル~ゴス~沖縄音楽などのハイブリッドという印象。視覚的なインパクト(ドラマー氏のホウキ頭など)もあって、コンサートというより完全に〈ショウ〉でした。

◆PANORAMA STEEL ORCHESTRA
 スティールパンのビッグバンド。このときもやたらと寒く、客も阿呆のように踊るしかなかったせいか、全員トランス状態になるほどの盛り上がり。演者もテンションが上がりまくっていた模様。過酷な環境であるほど客もバンドもヤケクソになって楽しめる、というライヴでした。

 他にもトクマルシューゴや凛として時雨、TOKYO No.1 SOUL SET、曽我部恵一バンド、女子プロレスなど、素晴らしいアクト揃い。繰り返しますが荒吐は良い祭です。危険を感じるくらいの寒さを除けば。

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2009年4月16日 (木)

ライヴ

 最近観たライヴがどれもおもしろかったので、勝手にお伝えします。
 まずLIQUIDROOMで観た3組。

◆ワッツーシゾンビ
 ポスト関西ゼロ世代(関西で盛り上がっている、新世代の地下音楽シーン)のバンドですね。ベースレスのツイン・ギター&ドラムスというジョンスペ~キング・ブラザーズ形態の3ピース。ユニークな歌詞のガレージ・ロックという感じでしたが、突如ドラマーがドラムセットを解体、どんどん客席に渡していく。「え?」(by鳥山明)と思うや否や、客席の真ん中にドラムセットが組み立てられ、お客さんに360度包囲されながら演奏再開!ギタリストもひとり客席に降りたので、舞台上はひとりだけ。何の祭りかと思うくらいの盛り上がりでした。

 しかし、ドラムのタムの位置がおかしいんだが……

ワッツーシゾンビ 

◆面影ラッキーホール
 毒々しいクレイジーケンバンドというか、藤子不二雄A的な歌詞の大所帯歌謡ソウル・バンドというか。さすが注目されているだけあって盛り上がりました。“パチンコやってる間に生まれたばかりの娘を車の中で死なせた……夏”とかすげえ一体感だった(阿呆)。ピエール瀧っぽい体型のヴォーカル氏が、薄汚れたMC(新曲の「生死をかけて」という詞についてなど)をしている最中、客席から「最低だー!」というレスポンスがあって素晴らしかった。

 面影ラッキーホール/俺のせいで甲子園に行けなかった

 

◆曽我部恵一BAND
 正直、最近の曽我部氏は趣味的な活動というか……「これやりたいからやってまーす」みたいなカジュアルな作風で、そのぶん練り込み不足というか、浅いというか(すみません)、物足らなさを感じてました。ソカバンも音源は聴いていて、「ああ、まあブルーハーツみたいなことをやりたいんだな」くらいに高を括ってました。で、実際ライヴを観て、確かにそのとおりブルーハーツみたいなことをやってたんですが、それゆえに圧倒されました。
 半径2メートルちょいの空間に、お世辞にも綺麗とは言えない野郎4人(良い歳)がギュッと寄り添って、アホみたいな勢いで演奏してる様を想像してください。冷静に聴いてみると曲はそんなにおもしろくないような気もしますが(失礼)、それを死に物狂いで演奏している姿は、ホントに感動的です。大切なのは「何をやるか」だけじゃないんですな。

曽我部恵一BAND「キラキラ!」live@なんばHacth

◆怒髪天
 これが初のSHIBUYA-AXワンマン。正直「そんなに入るのか?」と高を括っていましたが(すみません)、超満員でしたね。結成25周年にしてこの上り調子。それは演奏が放つエネルギーにも如実に表れていました。こういう嘘臭くない(けどややダサい)メッセージ性を持っているバンドってもう希少種なので、もっと好き放題にやってほしいものです。

怒髪天 - 酒燃料爆進曲

 という感想文でした。

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2008年12月16日 (火)

MEG“PARTY”TOUR 2008

 ZEPP TOKYOのMEGさんライヴに行って参りました。MEGさんはシンガー、モデル、ファッションデザイナーなどとして活躍なさっている方です(一度仕事でお会いした時の印象は「恐ろしくやり手のビジネスパーソン」)。CDのプロデューサーがPerfumeと同じ中田ヤスタカ氏ということもあって観に行ったのですが、入場前に早速その中田氏を発見。Perfumeのライヴには来ないのに……(先日の武道館には奇跡的に来ていましたが)。

↓ライヴでも再現していた“PRECIOUS”。
http://jp.youtube.com/watch?v=F7hIAVN6Evc

 ライヴはあくまでも生歌で、大規模なセットや映像、衣装替え、ダンサーなどの演出で魅せる煌びやかなエンターテイメント・ショウといった趣……というかもう「可愛かった」の一言で表したい所存。
 肝心の(?)重低音はPerfumeほどヘヴィーでタフでラウドではなく、MEGさんの歌を立てるバランスでした。そりゃそうか。歌は……えー、可愛かったです。

 ともかく、とても良いステージでしたよ。でも、僕のスケジュールが
金曜日 深夜
 あらかじめ決められた恋人たちへ(ダブ)at 渋谷LUSH
土曜日 昼~夜
 浅草ジャズコンテスト at 浅草公会堂
土曜日 深夜
 JUNGLIST JAMBOREE(ジャングル)at ROCK WEST
日曜日 昼
 ウォーリー(映画)
日曜日 夜
 矢野顕子 at NHKホール
月曜日 夜
 MEG at ZEPP TOKYO

 たまたまいろいろ重なっていたため、もう脳の処理が追いついていません。おもしろかったものは追って書いていきます。

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2008年12月15日 (月)

第28回浅草ジャズコンテスト

 去る12月13日、浅草公会堂にて「第28回 浅草ジャズコンテスト」が行なわれました。前回に続き、もちろん今回も馳せ参じましたよ。期待いっぱいで。
http://www.tctv.ne.jp/geibun/

 前回は〈ヴォーカル部門〉〈ソロ・プレイヤー部門〉〈バンド部門〉となっていた(気がする)のですが、今回は〈ヴォーカル部門〉〈バンド部門〉のみ、そして各部門10組ずつという構成でありました。

 まずは〈ヴォーカル部門〉について。固定のピアノ・トリオがバックを務め、入れ替わり立ち代わりヴォーカリストが登場するという形式。折り目正しいスタイルの方が多いように思いました。
 そして、発表が終わると審査員の方々からのコメント・タイム。そのコメントですが……前回僕が拝聴したような辛口のものは(この時点では)ありませんでした。出演者の方々が、素人目に見ても非常に優れたパフォーマンスをなさっていたこともあると思います。とはいえ、時折「歌は雰囲気だけじゃ歌えないんです」といった本質的な指摘や、蕨のローカル・トークで延々と引っ張っていくなど、目を見張る部分があったことは特記しておきます。

 そしてゲストのパフォーマンスを挟み、〈バンド部門〉へ。今回はデュオからコンボ、ビッグバンドとさまざまな編成のバンド10組が登場します。特に中学生、高校生のグループが4組とフレッシュでしたね。

 それでは……以下コメントを抜粋してご紹介します。今回も必死にメモを取っていましたので、傍目には熱心なジャズ・リスナーのように見えたはずです。

 

まずは“I Remember Clifford”を演奏したビッグバンドへのお言葉。
「僕はいつも文句ばかり言っているけど、文句ないなあ」(ここで司会者曰く「珍しいですね」)「管楽器も良い音だし、リズムもしっかりしているし。ただ、クラーク・テリーが演奏したこの曲は聴いた?」(「聴いていません」、という演奏者の返答に)「やっぱりねえ。それは聴かないと」

 ……確かこれだけだったような? なぜそれを聴くべきなのかにも言及してほしかったです。
 引き続き同じグループへのコメント。
「僕はこの曲をやらないことにしています。この曲は、クリフォード・ブラウンという凄いプレイヤーが亡くなって、ベニー・ゴルソン(?)がそれを悲しんで作った曲なんです。だから僕はこれを演奏すると悲しくなってしまう……こういう由来って知ってる?」
演奏者「はい、知ってます」
「あ……そうなんだ。ああ、だから演奏が悲しく聴こえたのかな?」

 演者の返答は想定外だったのかもしれませんが、それでも最後の切り返しはさすがだと思いました。

 あと、このあたりでオーディエンスの新生児の方が泣き出してしまって、ステージに立ったバンドにも観客にも「え、これ始めていいのかな……」みたいな空気が漂っていました。長時間のイベントなので、新生児の方は大変ですよね。

 また、別のバンドには
「……(5秒ほど沈黙)困りましたね」
 前回に続き、まったく同じ決まり手(?)も出ました。

「みんな目線が下を向いているよ。こういう大きい会場なら、3階席のいちばん後ろを見るくらいじゃないと」
 これは普通に素晴らしい(?)コメントです。その後「アメリカの超一流の人は、みんなよく見ているよ」というやや抽象的なフォローもありました。

 また、ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリ的な編成で有名曲“Waltz For Debby”をやったデュオには、話の流れとはいえ「デュオでやる必然性を感じない」と……! 僕も最初は「なんでこの曲なのかな?」と思いましたが、エモーショナルな演奏に引き込まれました(なお、このデュオは銀賞を獲得。おめでとうございます!)

 ちなみに、今回は福岡や京都、大阪などから多数の方がご参加なさっていて、司会の方も事あるごとに「地元でも〈浅草ジャズコンテスト〉の名は鳴り響いているんでしょうか?」と振っていましたが、みなさん「いえ、別に……」「知らなかったんですけどネットで見て」みたいな直球の返答だったのも印象深いです。

 あと、前後の流れがまったく思い出せないのですが、
「(ステージ上で)舞い上がっていてかわいそう……あ、こういう言い方は良くないですけど!」というハードな一発が僕のメモにありました。

 これも文脈が不明ですが「(このバンドは)普段いっしょにやっていないように見えた。もっと一体感がほしい」というご意見も。なかなかシビアですが、真摯な発言だと感じました。

「ベースの人の音が聞こえないんだよね」
 それはPA的なことでは……?

「管楽器はもっとテーマ(のフレーズ)を大切にしてほしい。(僕の)バークリー音楽院の師匠が言っていたんだけど、メロディーをロング・トーンで吹くようにすれば、自信(?)が出てくる。ギターもピアノもそれをやっていないでしょ? だからイモなんだよ……あっ!!(言い過ぎた!!)」
 イモって。

「サウンズ・グッドですね」
 とある高校生バンドへのコメントの第一声。非常にキャッチーなフレーズで、今後の原稿執筆で使いたい……!

 お次は、有名私立大学のビッグバンドへ。
「名門なんだから、もうコンテストに出て賞を目指さなくてもいいんじゃない?」
 あくまでも冗談半分でしたが、メモを見て驚いたので書いておきました。

「メンバーも入れ替わっていくと思うけど、(活動の軸をしっかりと持って)早稲田はこうだという伝統を作ってください(大意)」みたいなご意見もあり、伝統とは何かを考えさせられました。漠然と、ジャズは〈時代と共に変化してきた〉伝統を持つ音楽だと捉えていましたが、変わらないこともまた伝統なわけで。

 そして、今回のベスト・コメントはこれです。


「いまのアメリカにジャズはありません」


 !!!!!!!!!!!

 審査委員長のお言葉で会場が震撼しました。あまりの衝撃に、これを聞いてから一睡もできていません(嘘)。これは高校生バンドへのコメントで、続きがあります。
「(アメリカのバンドは)みんな頭でっかちになっている。バンド自体はたくさんいるし、みんな良いプレイをしている。でも、そこにジャズの精神はありません。(顧問の)先生、ジャズの精神をこの子たちに注入してあげてください。かつて、デューク・エリントンは〈音楽はひとつだ〉と言いましたが、いまはふたつあります。それは〈良い音楽〉と〈悪い音楽〉。ジャズとクラシックは精神が違って、譜面にない部分をやるのがジャズなんです。あなたたちは、高校生としては最高の演奏をしていますが、だからこそ譜面にないものをやってほしい。それが胸に響く音楽なんです。ジャズとは本来そういうもの。技術的な上手さだけではだめなんです」

 以上、速記状態でメモしたので、あくまでも大意です(デューク・エリントンのくだりは少し曖昧です、すみません)。文句のつけようがない、熱いお言葉です。

 なお、僕は以前どこかで「音楽に良し悪しなんてない。ただつまらなく聴くリスナーがいるだけだ」という有名ミュージシャン(失念)の発言も目にしましたが、まぁここで書くのは野暮ですね(でも書いた)。

 そして最後、審査委員長による総評にも触れておきます。
「何度も言いましたが、(演奏する人は)ステージを意識してください。音楽に定義はありません。ジャズは自由な音楽です……でも、そこには対象があるのです。それはオーディエンス。誰かに聞かせて、初めて音楽になるのです。これは僕の考えですが、スタジオでの練習は音楽ではない。人に聞かせてこそ音楽なのです。そしてステージは、お客さんのために出すもの。それを肝に銘じてください」

 これも速記状態の大意です。このコンテストの核となる部分であり、すべてのミュージシャンに求められる本質に関わるお話でした。

 ……とはいえ、気になる部分もあったり、なかったり。


 以上、長文になりましたが、おつきあいくださった方はありがとうございました。前回は汎モダン・ジャズ的なバンドばかりだと感じましたが、今回は一組、ヒップホップやクラブ・ミュージックを通過したであろうバンドが出場しており、実にカッコよかったです。審査員の方々からも好評でしたし、こういうバンドもたくさん出てほしいですね。

 次は2009年12月12日に開催予定とのこと。僕はもう予定を空けておきますよ。


12/15追記:
生き生きとした素晴らしい演奏を聴かせてくれた演奏者の方、運営をしてくださったスタッフさん、同じ空間を共有したお客さんたち、そして今回もまた金言を授けてくださった審査員の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。また会いましょう!見てないだろうけど!

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2008年11月 7日 (金)

マクロスFとPerfumeの武道館公演

 11月5日は「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーツアー FINAL こんなサービスめったにしないんだからね in ブドーカン☆」(フル表記)に馳せ参じてきました。初めてのアニメのライヴ。先日のTHE HEAVYMANNERSからは相当開きがありますが…。
 感想としては、あれほど高いミュージシャンシップ、プロフェッショナリズム、サービス精神に裏打ちされたエンターテイメントは滅多にないはず!というところです。

・ロック・バンド+13名ほどのオーケストラという編成。菅野よう子さんを筆頭に、超一流のセッション・ミュージシャン揃い

・オーケストラとは凄い!と思ったら、実は演奏よりも光る棒を振っている時間のほうが長そうだった(全曲にストリングスが入っているわけではないので)

・マクロスバンド(というか菅野チーム)のグルーヴは間違いなく日本最強クラス。そこにオーケストラが加われば、もう無敵

・いきなり20分近いメドレーからスタート。ライヴ仕様の楽曲アレンジがいちいちカッコよく、非常に手が込んでいる。ライヴのためにここまでやるか!

・ステージの演出(アニメの映像やリフトなど)も凝っている。ここまでやるか!と思うほどサービス精神旺盛

・“星間飛行”と“トライアングラー”は後世に残すべき名曲

・特に“星間飛行”の「キラッ☆」は、マイケル・ジャクソンの「ポォゥ!」にも比肩するエポックメイキングなフレーズ

・そしてアンコールの“トライアングラー”で登場した坂本真綾が全部持っていった

・みんな光る棒を振っていたが、特に僕の前にいた人が異様に強力な発光体を、映画「シザーハンズ」ばりにお持ちで、しばしば目が眩んだ

・とにかく最高の3時間で感無量

思い出したら付け足します。

そして11月6日はPerfumeの武道館公演。これはもう1日あるので詳細は書きません。

・ステージサイド席の最前列で、文字通りステージの隣。場合によっては、原宿のアストロホールで観た時よりもメンバーが近くに。もちろん嬉しかった。ただのファンなんで。

・“パーフェクトスター・パーフェクトスタイル”はこの日完成したと思う

・我を忘れるほど楽しかった

これはまた追って。

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2008年11月 1日 (土)

THE HEAVYMANNERS!!!!

10月31日、渋谷のタワーレコードでTHE HEAVYMANNERSのライヴ。
http://www.myspace.com/theheavymanners

凄まじい衝撃。
それはフジロックで観たマーク・スチュワート+マフィアや、(ジャンルは異なるけど)Billboard Live Tokyoで観たミシェル・ンデゲオチェロのバンドにも負けないくらいに。

THE HEAVYMANNERSとは、かつてDRY&HEAVYというレゲエ・バンドを作ったベーシストのHEAVYこと秋本武士氏のバンドです。自分のやるべき音楽を追求する過程で、大成功を収めたDRY&HEAVYすら離れ、弛まぬ鍛錬で己の信ずる音楽をストイックに研ぎ澄まし……といった説明は、鈴木智彦氏による恐ろしく素晴らしいテキストをご覧頂くとして。
http://www.bounce.com/interview/article.php/4660

で、ライヴはYAHMAN氏による硬派なオープニングDJでスタート。お客さんの入りは……僕が思っていたほどではなかった。思っていた、というのは「THE HEAVYMANNERSの音楽は、決して万人受けするものではない。だけど、レゲエ/ダブ好きだけじゃなく、それ以外のリスナーに訴えかける力、エネルギーは並大抵のものじゃない。心ある音楽好き、魂の込められた音楽を求める人には、必ず突き刺さるものだ」ということ。僕は熱心なレゲエ/ダブのリスナーではない(むしろモグリという言葉が似合うほど疎い)が、秋本さんの音楽には本当に期待している。スタイルとしてではなく、レベル・ミュージック(反逆者の音楽)としてのレゲエ/ダブ。ライヴは全曲インストだったが、それはとても雄弁で、強い意志が伝わってくるものだった。

彼らのサウンドが持つ説得力は、メンバーの気迫と情熱、覚悟、誇り、そして秋本さん曰く「(聴き手への)愛」があるからこそ。そんなバンドの演奏(とダブワイズ)は、想像を絶するほどの練習量を経て築き上げられた、絶大な信頼感で結びついている。あの演奏を表すのに「磐石」とか「一枚岩」なんて言葉はあまりにも陳腐だ。

話は少し戻るが、お客さんは確かに僕が「思ったほど」は来ていなかった。でも、みんなカッコよくて、群れない、そして熱い人たちだった。1曲目の“CUT THE BABYLON SYSTEM”が終わった瞬間の、耳をつんざくような大歓声。みんな、ホントに楽しみにしてたんだなあ。いいお客さんばかりだ。

僕がつべこべ書くよりも(実際書いたけど)、ライヴを観てもらえれば一発でわかる。
このバンドは、本当に凄い!

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2008年10月14日 (火)

Famicom Band

■Famicom Band

懐かしのファミコン音楽をオーケストラで演奏なさっている猛者集団、Famicom Band(以下FCB)のコンサートのため川崎へ。
http://famicomband.org/live_9th.html
以下箇条書き。

・9回目の公演。入場無料で、2000人入る会場はほぼ満員。凄い動員です。

・入り口でパンフレットをいただく。表紙は、昔高橋名人が映画に出演した際、16連射でスイカを割っていたことに起因するもの。これ20代前半の人は絶対わからんだろう。

・まず任天堂メドレーからハドソンメドレー。「F-ZERO」「チャレンジャー」がカッコよすぎ。

・演奏だけじゃなく、そのゲームの登場キャラに扮した人がゲームを再現する。

・でも「チャレンジャー」の再現、〈最初の電車のシーンで、姫が「HELP」と言っているその真上でジャンプするたび100点獲得〉というところをわざわざ再現するのはどうか。

・「バンゲリングベイ」演奏時にラジコンヘリを飛ばすところに男のロマンを感じた。

・「ドラえもん」は、〈大魔境〉面の再現度が高い。ジャイアンとスネ夫の何ともいえない存在感とか。

・「たけしの挑戦状」は音楽だけでなく、劇(?)でストーリーも再現。社長を殴るとどんどんズレていくところや、そこらへんの通行人といきなり殴りあうところ、パチンコ屋で(2コンのマイクから)「出ねェぞ」と叫ぶとヤクザがたくさん出てきて袋叩き→葬式などの再現度の高さに絶句。世界初の試みだと思う。

・殺人事件メドレー、「ミシシッピー殺人事件」までやるとはマニアックすぎる。ちゃんと主人公が落とし穴に落ちていたし。

・ヒロインメドレー「シティコネクション」は20年以上ぶりに聴いた。意外なほど覚えていた自分に驚いた。

・「アクトレイザー」組曲って。

・「ファイナル・ファンタジーIV」50分ぶっ通しメドレーは超人的。

・全曲のアレンジと譜面書き、大変だったろうな……。

ファミコン音楽への愛とノスタルジーがありえないレヴェルで結実した、素晴らしいイヴェントでした。しかし、相当カルトなネタも多数。知っている人はメチャクチャおもしろいはずですが、私にはよくわからなくて。結構詳しいと思ってたんだけどな……。

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2008年9月 3日 (水)

夏を振り返って

さて、ようやく夏の予定が終わりました。

7/25~27 FUJI ROCK FESTIVAL
8/9 SUMMER SONIC TOKYO
8/15~16 RISING SUN ROCK FESTIVAL
8/24 サザンオールスターズ(日産スタジアム)
8/27 ゆらゆら帝国×Shing02(LIQUIDROOM)
8/28 GANGA ZUMBA×the band apart(同上)

音楽以外にもいろいろありましたよ。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとかもなぜか行ってますからね。
ディキシーランド・ジャズの出し物を観ていたら、いきなりステージに上げられたのが印象深いです。

映画は傑作「スカイ・クロラ」「ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン!(2回目)」
「崖の上のポニョ(2回目)」「ゲゲゲの鬼太郎2」を観て、CDも相当買ったし、
本もいろいろと……って〈お前はそんなに暇だったのか!〉と言われそうですな。
ま、実際暇だったんですけど。

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