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2008年12月29日 (月)

COUNTDOWN JAPAN 08/09

 ロッキングオン絡みのイベントは敬遠してましたが、6年ぶりくらいに行きましたよ。あまり時間がないため箇条書き。

軽快な音楽に乗せて小走りで登場する渋谷陽一

・「今年はステージ前にウーファー20個付けました!」と言うので、どんな重低音が出るのかと思いきや意外とそうでもなかった(音自体は良かったと思う)

・でもPerfume“Dream Fighter”の低音は最凶

・Perfumeのステージは堂々としたもの。2万人規模の会場が満員になっていて、良かったね、おめでとう!という印象

・渋谷氏は「これはフェスです!ロック・フェスなんです!」としきりに言っているが、どうもそうとは思えない。普通に大規模なイベントというか……(この辺は後述?)でもフェスとイベントの境なんてあってないようなものだし、どちらが良い悪いという話でもない

・出演者はほとんどがロック・バンドで、純粋に観たかったのはPerfumeとNATSUMENくらい。僕も10年若ければもっと楽しめたのかもしれない
http://www.rock-net.jp/fes/countdownjapan/0809/time_makuhari.html

・そのNATSUMENの狂気スレスレの演奏があまりにも凄くて、笑いが止まらなかった。しかしというか、やはりお客さんの数は……

・お客さんが驚くほど若いので、いろんな面でもエデュケーションしていかないといけない(誤解を招きそうな言い回しですが)。でも環境面(というか振る舞い方)では、フジみたいに大変な状況に対処する努力が必要とされないので、どこまでやれるものか。結局快適さを提供するだけだと、参加者は育たない。ただお客さんが来るだけ

「ひとりじゃ来られないよねー」と話しているお客さんがいて驚いた。そういえば単独で行動している人がほとんどいない……

・楽しいイベントでした。よほど良いアクトが出るならばまた行きたい……かもしれない

 それでは、この感じの悪い文章を上げて僕はロンドンへ発ちます。みなさま、2008年は大変お世話になりました。2009年もどうぞよろしくお願い致します! よいお年を!

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2008年12月27日 (土)

泥酔状態で書くPerfume紅白の件

 あー。今回もマニア以外スルー推奨です。

 Perfume紅白歌合戦出場おめでとうございます。歌唱曲は“ポリリズム”ですか。チームPerfumeの前進するスピードがあまりにも速くて、もう大昔の曲みたいですが。といっても、もちろんあの曲の革新性が色褪せるわけもなく。〈ポリループ〉パートはやるんでしょうか?というより、あれをやらないとPerfumeが紅白で“ポリリズム”をやる意味はない……というのは言いすぎかもしれませんが。あのパートは8分の7拍子。紅白でこの変拍子が流れるのは最初で最後でしょうよ絶対。そもそも“ポリリズム”自体がよくあるヒット曲の構造を完全に無視(破壊と言ってもいい)したフォーマットで、その象徴があの〈ポリループ〉なんだと思ってます。あれはぜひやってほしいなー。

 僕の2008年はPerfumeに始まりPerfumeに終わります。

 12/31~1/1 カウントダウンライヴ@ZEPP TOKYO
 2/23(?) インストアライヴ2本@渋谷タワーレコード
 5/5 GAME TOUR@ZEPP TOKYO
 5/30 GAME TOUR@横浜BLITZ
 6/1 GAME TOUR@横浜BLITZ(伝説)
 6/8 エコライブ@NHK
 6/21 BLACK&BLUE@ZEPP TOKYO(with SPECIAL OTHERS)
 8/9 SUMMER SONIC 08(ヘル・ピクチャー)
 11/6、7 日本武道館2本(伝説)
 12/28 COUNTDOWN JAPAN

 あとは2月のSHIBUYA-AX(まさかの当日券が出ていた。いまだに思い返すとショック)とLIQUIDROOMに行けていたら悔いなし。とまぁ、あきらかに常軌を逸した参加意欲でしたが、それはどうでもよくて。
 そして2009年こそ、フジロックにPerfumeを出してほしい。もうSUMMER SONICとかROCK IN JAPANは出なくてもいいでしょう。いや、出てもいいけど、やっぱりフジロックが日本でナンバーワンのフェスティヴァルだと僕は思っています。これは動員とか規模の話じゃなくて、ラインナップとその音楽性の幅広さと豊かさ、非日常空間の演出、そして〈凄い音楽しか出さない〉というスピリットの部分で、です。あの場所で海外の強力アクトと真正面から激突してほしい。

 とはいってもやっぱりPerfumeはリップシンク(口パクのカッコいい言い方)なので、SMASHさんは出したがらないかもしれません。でも、リップシンクだから出さないというのも変じゃないですか? それこそ、2008年に出演したグランドマスター・フラッシュもエロール・アルカンも音源を流しているわけで。
 Perfumeがリップシンクなのは、別に怠慢なわけじゃなくて、生演奏や生歌で再現できない音楽だからです。歌っていない分ダンスでの表現もありますし、何よりサウンドが圧倒的にカッコいい。私事ですが、あれほど衝撃を受けたサウンドはBLANKEY JET CITYやストーン・ローゼズ以来です。
 アイドルだから出さない、というのも納得がいきません。SMASHの日高さんはインタヴューなどで「フジに出てもらうのはオルタナティヴな立ち位置で、物凄いライヴをやる旬のアクト」というようなことを仰っていました。Perfumeは、いまこそメインストリームの一角に食い込んでいますが、1年前はまさにオルタナティヴ(というか地下)なポジション。そして物凄いライヴをやってきたわけで、ほらもう条件を満たしているじゃないですか。
 そもそも近年のフジのブッキングは、ツボを押さえてはいるもののどうにも地味というか、ちょっと保守的になってきていて。そういった風潮を打破するためにもPerfumeですよ。
 場所取りの変なファン(私含む)が多数出るでしょうけど、そんなものはGREEN STAGE(!)のトップででもやらせておけば場所取りの被害も出ませんから。

 つまるところ、あれほどフレッシュで尖っていて強度の高いポップ・ミュージックをやっているんだから、そこを評価しないでどうするんだと思いますよ。

 あといろいろあった気がしますが、もう眠くなったのでこの辺で。

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2008年12月26日 (金)

2008年度傑作アルバム10選

 今年気に入ったアルバムを好き勝手に挙げてみます。基本は順不同ですが、当然1位は確定です。

1位 Perfume『GAME』(徳間ジャパン)
20~30年に1枚の傑作です! この作品にはいろんな評価軸がありますが、僕は「とにかく曲が良い」で押し切りたいと思います。2008年の中田ヤスタカ作品(capsule、MEG、鈴木亜美)はどれも非常に良かった。Perfumeについてはまた追って(←うるさい)。

菅野よう子『マクロスF(フロンティア)O.S.T.1 娘フロ。』『マクロスF(フロンティア)O.S.T.2 娘トラ☆』(共にFlying DOG/ビクター)
Perfume 『GAME』に次ぐ衝撃。アニメだと思って最初はナメてましたが、“トライアングラー”“星間飛行”の2曲がとにかく出色の出 来。曲作りのクオリティーが極めて高く、そこに流麗なアレンジと屈強でタイトなグルーヴ(演奏陣は日本最高峰の ミュージシャン)が合わさって凄まじい音楽的強度を保っています。“星間飛行の”〈キラッ☆〉は(前も書いたけど)マイケル・ジャクソンの〈ポォウ!〉並の発 明です。

THE MARS VOLTA『The Bedlam In Goliath』(Universal)
USで猛威を振るうプログレッシヴなロックの最新形。演奏のテンションと破壊力は間違いなく世界トップクラス。STUDIO COASTでのライヴは最狂でした。

FRIENDLY FIRES『Friendly Fires』(XL)
ニュー・レイヴとかのダンス・ロック勢はそれほど……と思ってましたが、これは違います。ポスト・パンク/ハードコア上がりなせいか演奏に切れがあるし、ずいぶん雑多な音楽要素が入っていますね。近いところではフォールズも良かったです。

PUNCH BROTHERS『Punch』(Nonesuch)
輸入盤なので情報が少ないですが、ニッケル・クリークというバンドの人が率いるブルーグラス・バンド(ブルーグラスはカントリーから派生したアコースティックでスウィンギンな音楽)。これを実に先鋭的なアプローチでやっていて、プログレッシヴなリズムや展開、ハーモニーに「こんな音楽聴いたことないぞ!」と思うこと請け合いです。こういうのこそフジに呼んでほしい。

HOCUS POCUS『Place 54』(On And On)
フジにも出ていた(が観られなかった)フランスのヒップホップ・バンド。生楽器による洗練されたアンサンブルも良いですが、USのヒップホップに対する憧れと、自分たちの音楽への自負が入り混じったリリックがそりゃもう熱いです。

UNCHAIN『rapture』(fluctus/avex trax)
ジャミロクワイやスティーリー・ダンなどの影響を感じさせるパンキッシュ・フュージョン・バンド。演奏が異常に巧いけど、それに溺れずちゃんと歌を聴かせるサウンドなのが好印象。

THE HEAVYMANNERS『THE HEAVYMANNERS』(ビクター)
孤高のベーシスト、秋本武士氏のバンドによる初作。このバンドの演奏はまさに鉄壁です。重低音の塊で殴られるようなライヴも本当に良かった!

DE DE MOUSE『sunset girls』(avex trax)
カットアップした女性ヴォーカルとノスタルジックなメロディーが武器の黄昏エレクトロ・ポップス(?)。シティー・ポップをカヴァーしたYMCKとのスプリット盤『DOWN TOWN』も良かったですね。

FLYING LOTUS『Los Angeles』(Warp)
LAの地下シーンで話題沸騰のトラックメイカー(アリス・コルトレーンの甥)。ポストJ・ディラ筆頭格のディープで硬質なブレイクビーツにやられます。

……さて、10枚(11枚?)挙げましたが、まだいまいち絞りきれないので以下良作と思ったものを羅列しておきます(毎度いい加減ですみません)。

DJ BAKU『DHARMA DANCE』(POPGROUP)
MYRON『Myron & The Works』(Moja)
LETTUCE『Rage!』(Velour)
THE ROOTS『Rising Down』(Def Jam)
SANTOGOLD『Santogold』(Downtown)
pupa『floating pupa』(EMI Music Japan)
LIL WAYNE『Tha Carter III』(Cash Money/Universal)
クレイジーケンバンド『ZERO』(Almond Eyes)
ESBJORN SVENSSON TRIO『Leucocyte』(Emarcy)
DONAVON FRANKENREITER『Pass It Around』(Lost Highway)
矢野顕子『akiko』(YAMAHA)
Q-TIP『The Renaissance』(Universal)
JAZZANOVA『Of All The Things』(Verve)
NATSUMEN『ONExMORExSUMMERxSHIT!!!』(TOPMEN/RESERVOTION)
といっても、まだ買ったのに聴けていない作品が山ほどあるので、それ次第でまた順位は変わってくるでしょうけど。

 それと、わざわざ別にエントリーを立てるまでもない業務連絡(初の試み)。
・bounceのOpus Of The Year(のごく一部)と、Discharming manのコラム、レヴュー数点を書きました。

・CDジャーナルでもレヴューいくつか。

・宝島社「音楽誌が書かないJポップ批評57 コブクロ」にてレヴュー何本か書きました。もう一生分のコブクロを聴きましたよ。

・超絶音楽ライター、冨田明宏氏のメルマガ「パトス・ハメ」に今後何か書く予定。音楽への比類なき情熱が原点という稀有なメディアです。みなさんもぜひご登録ください!
http://aciblog.exblog.jp/10023509/

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2008年12月17日 (水)

写真集「Perfume Portfolio」

1225443998981ci2  「人気テクノポップユニットPerfume待望の1stフォトブックが遂に登場! 情緒あふれる原風景、近代的な夜景などを舞台に、オール撮りおろしの写真で構成。憂い想う表情、開放的な仕草など、ここでしか見ることができない彼女たちの姿が満載! 異世界で3人で織りなすPerfume誕生のフォトストーリー。巻末にはメンバー3人、ソロの特別インタビューを収録。Perfumeの現在をすべてとらえた完全保存版の1冊です!」
 http://www2.wani.co.jp/perfume/

 ↑ですって。こう書くと「で、何? どうせ買ってるんでしょ」と思われる向きもあると思いますが、断じて自分は購入しておりません。

 自分はあくまでもPerfumeの音楽のファンなので、写真集まで追うつもりはありません。たとえ、今年ライヴに10回くらい行っていたり、勢い余ってTOKYO FMの公開生放送の様子まで見に行っていても(←カミングアウト)。

 大体、写真集で2500円というのも高いでしょう。アルバム『GAME』(20年に1枚の傑作)とほぼ同じではないですか。Perfumeはヴィジュアルで売っているグループでもない(と思う)のに。

 繰り返しますが、いくら僕でも流石に写真集までは追いかけません。取り下ろしのロング・インタヴューとやらも「まぁ読みたいかな」くらいです。一応気になって、本屋さんにチェックしに行って「おお、たくさん並んでるなあ!」とか、実物を手に取って「思ったより重厚な作りだな。装丁もしっかりしていてカッコいいし、これならこの値段でもいいかな」とか思ったりもしません。

 まあ音楽的なファンですからね。


 代わりといっては何ですが、ブルーレイのHDDレコーダーを買いましたけどね。Perfumeの武道館公演と「紅白歌合戦」を録画するために。

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2008年12月16日 (火)

MEG“PARTY”TOUR 2008

 ZEPP TOKYOのMEGさんライヴに行って参りました。MEGさんはシンガー、モデル、ファッションデザイナーなどとして活躍なさっている方です(一度仕事でお会いした時の印象は「恐ろしくやり手のビジネスパーソン」)。CDのプロデューサーがPerfumeと同じ中田ヤスタカ氏ということもあって観に行ったのですが、入場前に早速その中田氏を発見。Perfumeのライヴには来ないのに……(先日の武道館には奇跡的に来ていましたが)。

↓ライヴでも再現していた“PRECIOUS”。
http://jp.youtube.com/watch?v=F7hIAVN6Evc

 ライヴはあくまでも生歌で、大規模なセットや映像、衣装替え、ダンサーなどの演出で魅せる煌びやかなエンターテイメント・ショウといった趣……というかもう「可愛かった」の一言で表したい所存。
 肝心の(?)重低音はPerfumeほどヘヴィーでタフでラウドではなく、MEGさんの歌を立てるバランスでした。そりゃそうか。歌は……えー、可愛かったです。

 ともかく、とても良いステージでしたよ。でも、僕のスケジュールが
金曜日 深夜
 あらかじめ決められた恋人たちへ(ダブ)at 渋谷LUSH
土曜日 昼~夜
 浅草ジャズコンテスト at 浅草公会堂
土曜日 深夜
 JUNGLIST JAMBOREE(ジャングル)at ROCK WEST
日曜日 昼
 ウォーリー(映画)
日曜日 夜
 矢野顕子 at NHKホール
月曜日 夜
 MEG at ZEPP TOKYO

 たまたまいろいろ重なっていたため、もう脳の処理が追いついていません。おもしろかったものは追って書いていきます。

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2008年12月15日 (月)

第28回浅草ジャズコンテスト

 去る12月13日、浅草公会堂にて「第28回 浅草ジャズコンテスト」が行なわれました。前回に続き、もちろん今回も馳せ参じましたよ。期待いっぱいで。
http://www.tctv.ne.jp/geibun/

 前回は〈ヴォーカル部門〉〈ソロ・プレイヤー部門〉〈バンド部門〉となっていた(気がする)のですが、今回は〈ヴォーカル部門〉〈バンド部門〉のみ、そして各部門10組ずつという構成でありました。

 まずは〈ヴォーカル部門〉について。固定のピアノ・トリオがバックを務め、入れ替わり立ち代わりヴォーカリストが登場するという形式。折り目正しいスタイルの方が多いように思いました。
 そして、発表が終わると審査員の方々からのコメント・タイム。そのコメントですが……前回僕が拝聴したような辛口のものは(この時点では)ありませんでした。出演者の方々が、素人目に見ても非常に優れたパフォーマンスをなさっていたこともあると思います。とはいえ、時折「歌は雰囲気だけじゃ歌えないんです」といった本質的な指摘や、蕨のローカル・トークで延々と引っ張っていくなど、目を見張る部分があったことは特記しておきます。

 そしてゲストのパフォーマンスを挟み、〈バンド部門〉へ。今回はデュオからコンボ、ビッグバンドとさまざまな編成のバンド10組が登場します。特に中学生、高校生のグループが4組とフレッシュでしたね。

 それでは……以下コメントを抜粋してご紹介します。今回も必死にメモを取っていましたので、傍目には熱心なジャズ・リスナーのように見えたはずです。

 

まずは“I Remember Clifford”を演奏したビッグバンドへのお言葉。
「僕はいつも文句ばかり言っているけど、文句ないなあ」(ここで司会者曰く「珍しいですね」)「管楽器も良い音だし、リズムもしっかりしているし。ただ、クラーク・テリーが演奏したこの曲は聴いた?」(「聴いていません」、という演奏者の返答に)「やっぱりねえ。それは聴かないと」

 ……確かこれだけだったような? なぜそれを聴くべきなのかにも言及してほしかったです。
 引き続き同じグループへのコメント。
「僕はこの曲をやらないことにしています。この曲は、クリフォード・ブラウンという凄いプレイヤーが亡くなって、ベニー・ゴルソン(?)がそれを悲しんで作った曲なんです。だから僕はこれを演奏すると悲しくなってしまう……こういう由来って知ってる?」
演奏者「はい、知ってます」
「あ……そうなんだ。ああ、だから演奏が悲しく聴こえたのかな?」

 演者の返答は想定外だったのかもしれませんが、それでも最後の切り返しはさすがだと思いました。

 あと、このあたりでオーディエンスの新生児の方が泣き出してしまって、ステージに立ったバンドにも観客にも「え、これ始めていいのかな……」みたいな空気が漂っていました。長時間のイベントなので、新生児の方は大変ですよね。

 また、別のバンドには
「……(5秒ほど沈黙)困りましたね」
 前回に続き、まったく同じ決まり手(?)も出ました。

「みんな目線が下を向いているよ。こういう大きい会場なら、3階席のいちばん後ろを見るくらいじゃないと」
 これは普通に素晴らしい(?)コメントです。その後「アメリカの超一流の人は、みんなよく見ているよ」というやや抽象的なフォローもありました。

 また、ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリ的な編成で有名曲“Waltz For Debby”をやったデュオには、話の流れとはいえ「デュオでやる必然性を感じない」と……! 僕も最初は「なんでこの曲なのかな?」と思いましたが、エモーショナルな演奏に引き込まれました(なお、このデュオは銀賞を獲得。おめでとうございます!)

 ちなみに、今回は福岡や京都、大阪などから多数の方がご参加なさっていて、司会の方も事あるごとに「地元でも〈浅草ジャズコンテスト〉の名は鳴り響いているんでしょうか?」と振っていましたが、みなさん「いえ、別に……」「知らなかったんですけどネットで見て」みたいな直球の返答だったのも印象深いです。

 あと、前後の流れがまったく思い出せないのですが、
「(ステージ上で)舞い上がっていてかわいそう……あ、こういう言い方は良くないですけど!」というハードな一発が僕のメモにありました。

 これも文脈が不明ですが「(このバンドは)普段いっしょにやっていないように見えた。もっと一体感がほしい」というご意見も。なかなかシビアですが、真摯な発言だと感じました。

「ベースの人の音が聞こえないんだよね」
 それはPA的なことでは……?

「管楽器はもっとテーマ(のフレーズ)を大切にしてほしい。(僕の)バークリー音楽院の師匠が言っていたんだけど、メロディーをロング・トーンで吹くようにすれば、自信(?)が出てくる。ギターもピアノもそれをやっていないでしょ? だからイモなんだよ……あっ!!(言い過ぎた!!)」
 イモって。

「サウンズ・グッドですね」
 とある高校生バンドへのコメントの第一声。非常にキャッチーなフレーズで、今後の原稿執筆で使いたい……!

 お次は、有名私立大学のビッグバンドへ。
「名門なんだから、もうコンテストに出て賞を目指さなくてもいいんじゃない?」
 あくまでも冗談半分でしたが、メモを見て驚いたので書いておきました。

「メンバーも入れ替わっていくと思うけど、(活動の軸をしっかりと持って)早稲田はこうだという伝統を作ってください(大意)」みたいなご意見もあり、伝統とは何かを考えさせられました。漠然と、ジャズは〈時代と共に変化してきた〉伝統を持つ音楽だと捉えていましたが、変わらないこともまた伝統なわけで。

 そして、今回のベスト・コメントはこれです。


「いまのアメリカにジャズはありません」


 !!!!!!!!!!!

 審査委員長のお言葉で会場が震撼しました。あまりの衝撃に、これを聞いてから一睡もできていません(嘘)。これは高校生バンドへのコメントで、続きがあります。
「(アメリカのバンドは)みんな頭でっかちになっている。バンド自体はたくさんいるし、みんな良いプレイをしている。でも、そこにジャズの精神はありません。(顧問の)先生、ジャズの精神をこの子たちに注入してあげてください。かつて、デューク・エリントンは〈音楽はひとつだ〉と言いましたが、いまはふたつあります。それは〈良い音楽〉と〈悪い音楽〉。ジャズとクラシックは精神が違って、譜面にない部分をやるのがジャズなんです。あなたたちは、高校生としては最高の演奏をしていますが、だからこそ譜面にないものをやってほしい。それが胸に響く音楽なんです。ジャズとは本来そういうもの。技術的な上手さだけではだめなんです」

 以上、速記状態でメモしたので、あくまでも大意です(デューク・エリントンのくだりは少し曖昧です、すみません)。文句のつけようがない、熱いお言葉です。

 なお、僕は以前どこかで「音楽に良し悪しなんてない。ただつまらなく聴くリスナーがいるだけだ」という有名ミュージシャン(失念)の発言も目にしましたが、まぁここで書くのは野暮ですね(でも書いた)。

 そして最後、審査委員長による総評にも触れておきます。
「何度も言いましたが、(演奏する人は)ステージを意識してください。音楽に定義はありません。ジャズは自由な音楽です……でも、そこには対象があるのです。それはオーディエンス。誰かに聞かせて、初めて音楽になるのです。これは僕の考えですが、スタジオでの練習は音楽ではない。人に聞かせてこそ音楽なのです。そしてステージは、お客さんのために出すもの。それを肝に銘じてください」

 これも速記状態の大意です。このコンテストの核となる部分であり、すべてのミュージシャンに求められる本質に関わるお話でした。

 ……とはいえ、気になる部分もあったり、なかったり。


 以上、長文になりましたが、おつきあいくださった方はありがとうございました。前回は汎モダン・ジャズ的なバンドばかりだと感じましたが、今回は一組、ヒップホップやクラブ・ミュージックを通過したであろうバンドが出場しており、実にカッコよかったです。審査員の方々からも好評でしたし、こういうバンドもたくさん出てほしいですね。

 次は2009年12月12日に開催予定とのこと。僕はもう予定を空けておきますよ。


12/15追記:
生き生きとした素晴らしい演奏を聴かせてくれた演奏者の方、運営をしてくださったスタッフさん、同じ空間を共有したお客さんたち、そして今回もまた金言を授けてくださった審査員の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。また会いましょう!見てないだろうけど!

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