※長文です。Perfumeマニアだけに推奨。
Perfume初の全国ツアー『GAME TOUR』の模様を収めたライヴDVDが出ましたよ。しかし、発売日前日の時点で都内の大型店では初回盤はほぼ完売とか。相変わらず凄い状況です。
DVDは今年の5~6月に掛けて行なわれたツアーから、5/5のZEPP TOKYO公演(の本編)と6/1の横浜BLITZ公演(のアンコール部分)を収めたもの。とは言っても、ライヴDVDによくある凝ったカメラアングルやカット割りなどはほとんどなく、単なる記録映像のような趣です。これには賛否両論あるかもしれませんが、ライヴ(というか歌とダンス)をそのまま収めた作りは悪くない、とわたしゃ思います。
実際、ZEPP TOKYOでのライヴを観たときは「あれ?」と思ったものです。長い不遇の時期を経て、ライヴをやるごとに会場がみるみる大きくなり、観客が倍々ゲームのように増えていった彼女たち。その状況に、そしてステージから見える光景に彼女たち自身が感動して、神懸りのパフォーマンスを繰り広げていたのですが(その最高潮がLIQUIDROOMだったのかも。行けなかったけど)、この『GAME』TOURの段階ではアルバムもチャート1位を獲得し、ライヴに大勢のファンが集まることは良くも悪くも〈あたりまえ〉の状況になっていたわけで。それで3人が慢心したとは到底思えませんが、周囲の状況もPerfumeそのものの立ち位置も加速度的に変化。その最中に3人がどんな心境だったのかは全然わかりませんが、〈求められるもの〉の大きさに対してうまく対処できず、バランスを欠いていたように見えました。ステージセットは豪華で、映像もフル活用し、3000人の観衆は熱狂。でも、3人の存在感がどこかぼやけて、いまひとつ前面に出ていなかったように感じたのです。
いまこのDVDを観ていて気付いたのは(というか、ホントはBLITZ公演を観た時点で思ったけど)、それは単に、こちらの眼鏡が曇っていただけだと。3人のアティテュードは昔から何も変わっていません。オムニバスのイヴェントに出演して「名前だけでも覚えてください!」と言っていた頃。いろんなスタイルを模索し、迷走していた頃。Apple Storeの片隅で一生懸命歌って踊っていた頃。ようやく自分たちのやっている音楽に自信を持てた頃……。そのアティテュードとは、つまり「自分たちがいまできることを全力でやる」というシンプルなことだと思います。Perfumeは、その〈言うのは簡単だけど、やるのはなかなか難しいこと〉をずっと継続してきた人たちです。それこそが、私が何かの雑誌で見た「Perfumeはアイドルでありながら、アスリート的な部分がある」という(雑誌側からの)言及――つまり、たゆまぬ鍛錬を重ね、己にできるパフォーマンスを最高のレヴェルで発揮するということ――を裏付けていると思います。
そして、そんな彼女たちの姿勢に惹かれるようにして、優秀なブレインやクリエイター、支援者が現れて手を差し伸べ、スタッフとファンに愛されて……。つまりPerfumeは3人だけでなく、それに関わる人々の力があってのもの。そして、その中心にいる3人の姿勢にブレはありません。状況がどう変わろうとも、そこさえ変質しなければPerfumeは大丈夫。いまではそう思ってます。
その本質を、簡素な形ながらもしっかりと収めたDVD。悪いはずがありません。ちなみに“wonder2”のあのシーンは美しすぎてもう……。
これ以降は完全に蛇足ですが、やっぱり冠のTV番組は不要な気がします。3人はきっとレギュラー番組を持てて嬉しいのでしょうけど……。TVは一気にPerfumeの知名度を高められても、その魅力を十分伝えられるものではないと思います。一気に広がったものは一気に忘れられるのが世の常であり、昨今ではそのサイクルはますます早くなっています。安易にキャラクターを売り出すだけではなく、やっぱりパフォーマンスと音楽で勝負してほしいと願う次第です。
で、さらに蛇足ですが、某音楽雑誌のWEBページでBLITZ公演についてのレポートがありました(以下引用します)。
「
すげー。女子3人のみで、これほど巨大なエンターテインメント空間が作り出せるんだ。」とだけ無邪気に書かれていましたが……それはいかがなものかと。
また、
「アンコール・ラストでは、メンバーには内緒で事前にお客さん全員に配られていたサイリウムが一斉に発光。ファイナルならではのサプライズ演出に、思わず3人全員大泣きしていたが」と書いてあったけど、全員は泣いてないぞ! しっかりしろ!
(飛躍するけど)やっぱりあそこは物書きの看板を下ろしたほうがいいですよ。いろんな意味で。
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